
イギリス人で医者兼建築家という著者は、ビタミンD不足が関係すると思われる病気として、乳がん、大腸がん、糖尿病、高血圧症、心臓病、多発性硬化症、卵巣がん、骨軟化症、骨粗鬆症、前立腺がん、疥癬、くる病、むし歯、結核などがあるという。 そして、日光浴によってこれらが全快とまではいかなくても、快方に向かうと主張する。紫外線にはUVAとUVBのふた種類があり、肌の表面で日焼けを起こすのが後者で皮膚の奥深くへ入ってシミや老化の原因となるのが前者だそうだ。本書で取り上げられた中で面白いと思ったのは、誕生日によって身長の伸び方が違うという調査結果だ。18歳までに最も身長が伸びるのは4月生まれで一番伸びないのが10月生まれだという。生後3ヶ月の間に浴びる日光の量がその原因らしい。調査結果や発見などの引用元や文献が示されていないので真偽のほどを確認するのは困難であるが。
日焼け止めを頻繁に使用していた子どもは、そうでない子どもより明らかにほくろやシミが出来やすいという。その理由は、日焼け止めはUVBを防ぐがUVAには効かず、日焼け止めを頻繁に使用すると日光に当たる時間も当然長く、それだけ多く長く皮膚がUVAに曝露したからだという。また、子どもの間に十分に日光に当たっていなければ大人になってさまざまな健康的な被害が出るという統計が紹介され、さらに、アイスランドやノルウェーのような北緯の高い地域に住んでいる人のガンによる死亡率は赤道近くの緯度の低い国に住んでいる人よりも高いという調査結果も紹介されていた。日本人のがんの死亡率は比較的低かったのだが、その理由は魚や海藻などを食べる食習慣からビタミンDを多く摂取しているからだと言う。太陽光線に含まれる紫外線はコレステロールを分解してくれる、とか太陽光線を浴びながら運動すると、スタミナや健康状態全般、筋肉の発達に大きな効果が見られるとか。ローマ時代の戦士が裸で戦っていたことも、太陽が体を強くすることを知っていたからだそうだ。そのような文献が残されているという。
結論として著者の主張は、太陽光線が病気を防ぐ可能性がある、ということ。大腸がんと乳がんなど、太陽光に関係のない病気もである。太陽光線は血糖値を下げるとか、定期的に太陽光線を浴びることで得られる恩恵は皮膚がんや老化のリスクをはるかに凌ぐ。


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