
著者は1970年から数年長年、前尾繁三郎衆議院議長の秘書をしていて、前尾議員について「昭和天皇が最も信頼していた政治家」と言う。田中角栄首相のロッキード事件当時の政界の状況と、ロッキード国会の裏で進められ承認された核防条約について、昭和天皇の意思があったことを書き留めていた日記から裏事情を書き出している。前尾議員がロッキード国会のどさくさに紛れ「核防条約」の締結を済ませた裏には昭和天皇の意思があったというのである。昭和天皇は日本軍の核開発に断固反対しており、その兵器で自国民に未曽有の被害が出たことについて心を痛めておられた様子がつづられている。日本軍による核兵器開発を東條英機から奏上された昭和天皇の反対については、前後して読んだ『誇りある日本文明』に一字一句同じことが書かれていた。
日本軍による核兵器開発を東條英機から奏上された昭和天皇の反対については、前後して読んだ『誇りある日本文明』に一字一句同じことが書かれていた。本のほとんどは議会の様子を伝える退屈な内容であったが、第6章「昭和天皇と原子爆弾」だけは学ぶところが多かった。自国民を無惨に殺した原子爆弾の拡散を抑制しようと衆議委員委員長の前野議長に極秘指令が出ていたかどうかは分からぬが、昭和天皇の強い想いを汲んだ、今風に言うと忖度した前野議員がロッキード国会で承認したのである。
とうそうとしそれから25年を経た今、北朝鮮が核を保持し、韓国も核武装をする論議をしている。支那は核実験を繰り返しウイグル人を殺している。このような状況で日本も核を装備する話になるのは当然の成り行きだ。この期に及んで核武装がダメというなら、どうやって日本を守るのか代案を出すべきだ。昭和天皇をダシにして非核三原則を押し通そうとしているようにも読み取れる。終章には日本共産党の新綱領を持ち出しているので、それみたことかと思わざるを得なかった。


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