『日本人が知らない!世界史の原理』茂木誠・宇山栄

現在(2024年8月)大変人気のある書籍がやっと回ってきた。たくさんの予約があるため期限内に読み切る必要があり大急ぎで読み進めた。世界史は高校の科目の中では苦手な部類だったので、読みながら「確かに授業で習ったな」というところや全く初めての内容がたくさんあり(習っていたが頭に入っていなかったかも)、とっつきにくい箇所が多々あったが、著者ふたりの対談形式だったのでなんとか読み終えることが出来た。サブタイトルが「異色の予備校教師が、タブーなしに語り合う」「教科書にかけない国際情勢の真相に迫る」とあるのが、この本を読みたいと思わせるのであろう。

歴史上に出てくる人物や地名は聞いたことのあるものがほとんどだったが、その関係性や位置の理解が自分自身未だにあやふやなのが恥ずかしい。興味深く読めたところは日本との関係のある章や項で、世界における日本人の起源がDNA解析を基に話を進めているところ、ユダヤ人の歴史、アイヌ先住民決議の過ち、朝鮮を独立させたのは誰か、徳川日本は世界有数の重武装中立国家だった、イギリスの悪辣な収奪システム、アメリカの世紀と共産党の野望など、他にもいろいろある。それがどう面白いのか説明せよと言われても、詳細は記憶に残っていないのでできないが、これまでの知識を広げたり深めたり、または見直したり考えたりする箇所が多かったのだ。豊臣秀吉の朝鮮出兵あたりからの日本の歴史を世界の情勢と合わせて述べられているので、事件の背景や流れが良く理解でき、「なるほど、そうだったのか。」と腑に落ちた箇所も多かった。盧溝橋事件は関東軍の仕業ではなく中国軍だった、と言っているのは、『大東亜戦争百年史』の林房雄の意見と違っている。通州事件は共産党の仕業ではないか、と言う説明は説得力があった。

以下、面白かった記述を抜粋する。「江戸幕府が鎖国したから、日本は世界の進歩に遅れてしまい、ペリーが来て大騒ぎした」という俗説は完全な間違い(p-233)、当時(17世紀)のニューヨークはマンハッタン島の南半分だけであり、境界線にはオランダが建設した城壁があった。ニューヨークの発展とともに城壁(wall)が取り払われ東西道路となり、「ウォール街」の名前として残った(p-249)、ヨーロッパ列強の軍事力を利用してオスマン帝国から「約束の地」パレスチナを奪い取り、ユダヤ国家を実現しよう、というキナ臭いものに変化して行った。この運動を資金面で支えたのが、ロンドンとニューヨークのユダヤ系金融資本-ロスチャイルド‐だった(p-302)。(読了2024年8月30日)

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