『最後のサムライ山岡鐵舟』教育評論社

山岡鐵舟の没後、残された遺物や資料をもとに、鐵舟が建てた全生庵という寺の3代目和尚が20年をかけて鐵舟の正伝「鐵舟居士之真面目」を1918年に公刊、本書は7代目和尚によるその現代語訳である。鐵舟の生い立ちから始まり、どのような人物でどのような一生を送ったか、が詳しく分かる一冊。鉄舟のことをつい最近まで知らなかったが、衣食に頓着せずボロ鐵と呼ばれ、西郷隆盛と勝海舟を引き合わせたのがこの人であり、明治天皇の宮仕えを10年し、剣術では無敵、無刀流という剣術を始め大勢の弟子を育て、日々禅の修行も行い45歳で印可を受けている。偉大な人物はたくさんいるが、このような人間になりたいと思ったのは初めてのような気がする。

鐵舟のような人物を学校の歴史で学ばないのはなぜだろう。西郷隆盛に「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ、なんとも始末に困る人」と言わせる人物なのに。鉄舟から学ぶべきものはたくさんある。貧乏だった理由でその原因は、与える、とられる、度をこして義理を立てる人物であったこと。まるで教祖のようだ。最後に、彼が読んだ和歌をひとつ。「晴れてよし 曇りてもよし 不二の山 もとの姿は かはらさりけり」

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