『日中戦争真逆の真相』茂木弘道

日中戦争と呼ばれる戦いは、戦争ではなく事変だというのを読んだことがあった。戦争とは宣戦布告がなされて初めて始まるものだから、と言うのがその理由だ。本書を読んで、確かに戦争と呼ぶのは正しくないことが分かった(タイトルに「日中戦争」と付けられてはいるが)。盧溝橋事件の発端と経過が詳しく図説入りで説明され、泥沼にはまってゆく日本軍の様子が一次資料をもとに説明されている。その後、通州事件で日本人がむごたらしく殺され、上海事変をへて南京攻略までの様子を追っている。南京事件がいかにでっち上げられたものなのか再確認できた。いまさらながら、中国共産党軍がいかに卑怯でウソつきで、ならず者であるかがよく分かった。

南京事件については、アメリカの牧師グループが中国共産党を支援することになっていて、有りもしないことをあたかも事実のように書きたて本国に通報したことで、それらの虚実が東京裁判でも用いられ、いまだに事実のようにとらえられている。先日ユーチューブで米人の気ニュースキャスターが「南京大虐殺は日本の仕業」と訴えていた。本書で参考文献に取り上げられている英語の書籍がいくつかあり、それらは先述の牧師たちの嘘で満載のものらしいが、中には当時南京に住んでいた米人の日記集があり、そこには虐殺についての記述が全くないらしいので、この本を読んでそれを確かめ、次回米人が南京事件について日本人を悪く言うとき反論してやろうと思う。「盧溝橋事件から始まり、現地停戦協定違反、通州大虐殺、大山海軍中尉殺害事件(船津和平案に基づく和平攻守の初日に発生)、上海の海軍陸戦隊への全面攻撃、等など、戦争拡大の原因をつくったのは日本軍(拡大派)などではなく、間違いなく中国側だったのです。その主役は中国共産党でした。日中戦争の真犯人は「中国」(中国共産党と蒋介石政権)であるというのが、歴史の事実がはっきりと示すところです。」(p-211)

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