「新しい歴史教科書をつくる会」副会長である著者が、自由社の教科書が「不正検定」「ダブルスタンダード検定」により「一発不合格」となった経過とそれに対する反論、そして文科省教科書調査官とのやり取りを克明に記録しつつ、著者の正論をぶつけている。著者は、日本の教科書をダメにしているのは「赤い官庁」である文科省、と断定する。中で驚いたのは、教科書調査官に北朝鮮のスパイが紛れ込んでいたとの記述である。また、前川喜平という政治家がいかに教育中立性を無視しているか、従軍慰安婦を盛り込んだ山川出版の教科書が検定で指摘を受けず合格したこと、文科省官僚が「つくる会」の教科書には間違いが多いとデマを流していることなどが、ありありと記録されている。
本書の後半部分では、実際に自由社がどのような「いいがかり(生徒が誤解する恐れ)」をつけられ、それと比較して他社の教科書ではそのまま素通りしている点、いわゆるダブルスタンダードの31例が挙げられている。それらに目を通すと、どこからどう見ても著者の訴えていることが正しく、教科書調査官(とそのバックにいる者たち)が、自由社の教科書を何が何でも不合格とする意志があるとしか思えない。(2024年12月24日)
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