
在米中に何度かテレビのサイエンス・チャンネルで著者を見たことがある。名前からして日系人だとわかるが外見も全く日本人であったが、物理学者である彼の口から出る英語が難解で、このような天才肌の日系人がいるのだと強く印象に残っている。マージンが少なくかつ小さい字でページいっぱいに敷き詰められた字を読むのには根気と忍耐がいったが、彼の知恵と主張を学ぶにはそれらが最適なのだろう。
エネルギーの未来について述べた第5章で、地球温暖化について喫緊の課題と論じていたので真っ先に目を通したところ、失望させる内容であった。温暖化の説明をほんの1、2冊の書物からの引用で行い、海面が50年以内に1メートル近く上昇するという。また、内燃機関による自動車がいずれ電気自動車に取って代わると述べる。米国の石油埋蔵量がまもなく底をつき、石油をあてにしている業界は大混乱するという。残念ながら、現時点では全てハズレだ。電気自動車はテスラを除いて減産、あれほど電気自動車に入れ込んでいたEUも方向変換を始めている。米国は100%石油を自給しており、海面の上昇は10センチもあるのかどうか。本書が出版されたのは2010年のことなので、カク博士は予言がはずれたことにどういう説明をするのだろうか。
次に開いたのが「医療の未来」第3章で、2030年までのゲノム医療の予測で、彼の予測が当たっていないことが判明した。さらに、がん治療について2030年までの予測で、がん患者が減らない旨の記述があるが、私の知る限りではがんは不治の病ではなく治せる病気と認知が変わってきている、特に米国では。まだ未読の章は半分以上あるけれども、この章で読了とする。


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