
出版するなり大変な売り上げで入手困難だったこの本を図書館で予約をして待つこと半年、ようやく手に入れ、次も順番が詰まっいたので3日で読破。前半部分、安倍首相が暗殺されるところまではほぼ事実と同じだった。暗殺直後から奈良県立医大に移送され、死亡を確認した医師のコメント、奈良県警の検死との食い違い、当時のYouTubeやSNSで騒がれた様々な事柄は、ノンフィクションのように書かれていたので、「あぁ、こんなこともあったな。」と思い出しながら読み進めた。主人公のジャーナリストが犯人を探していく過程にはフィクションと思われるものがあったが、阿部首相の体内で見つからなかった弾丸がガリウム弾か水銀弾であったであろうことは、この本で初めて知った。それは作り話では無いように思われる。
安倍首相が暗殺された大きな理由は、安倍首相が「令和」と言う元号を選んだことになっている。暗殺の裏に右翼団体の大物がいて、「令和」を絶対に元号にするなと指示していたにもかかわらず、安倍首相がそれを選んだということであった。山上の他に実は狙撃犯がいて、近くのビルの5階から射撃し、その犯人は韓国から来た男で、裏側で警察と自衛隊が暗殺に関与していたことなどがストーリーとして組み立てられている。小説の結末はあっけなく、ありきたりのエンディングではあったが、読み物の読み物としては面白い本であった。
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