
深田氏にとって畑違いの分野を、東大教授で専門家の鈴木教授との質疑応答形式でまとめた書。読みやすくはあったが、資料や図が盛り込まれていたのにもかかわらず、事前知識に乏しい自分にとっては理解できない箇所が多々あった。(もう少しゆっくり読めば分かったのかも)深田は、米不足の犯人は政治だと断言する。カロリーベースで自給率を語ることの重要性、非効率な米生産は日本の地形に由来すること、農業に補助金を渋っているのは財務省(輸出用米、家畜用米の生産には食料用の米よりも多い補助金が出ている)、農業への予算を出し渋る財務省の実態、鈴木教授はアメリカ並みの補助にすべきと主張していることなど、ユーチューブでも盛んに訴えられている。
深田の、米のブランド力を高めるというアイデアは面白いと思った。フランスのワインは高額なのになぜ売れるのか、という理由からの説明には説得力があった。日本の農業つぶしを狙っているのはアメリカ、外資は農協の155兆円を狙っている、種子法と種苗法の改正が農家の権利を奪ったこと、日本が世界の人口食実験場と化していること等などが取り上げられている。実験場について、食品の成分表示にある「アミノ酸など」にコオロギの粉末が含まれている可能性があることが指摘されていたが、これが事実ならちょっと怖い。深田は最後に、さらにこの分野を調査中で第2弾を出すべく実際の生産者にべったりついての取材が進行中とのこと。どのようなレポートになるのか楽しみである。
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