『グローバルサウスvs米欧地政学』石田和靖・宇山卓栄

この書籍は、石田和靖と宇山卓の対談を記録した形で、わずか2ヶ月前(24年11月)に発刊されたばかりのものだ。ふたりともユーチューブでの発信が多く、興味を持って本書を手に取った。「グローバルサウス」について、その名以外はほとんど何も知らなかったため、それに属する主要国について詳しく知ることができた。 1つ発見したことは、アルジャジーラと言うイスラム教系の放送局について、内容が偏っていると噂があるが、実は大変中立、と書いてあったことだ。かなり前から「X」でフォローしているので、少し安心することができた。アルジャジーラの放送コンセプトは、「1つのニュースを一方からだけ見てしまうと、真実をみうしなってしまう=1つの意見があればもう一つの意見がある」だそうだ。もう一つ面白かったのは、アゼルバイジャンが大変親日であるということ。入国ビザを取得する場合、日本人だけが無料だそうだ。

2人はグローバルサウスについてどのような方向に向かって進んでいるのかについて、地域ごとに情報を交換し、意見を述べている。第2章で中国とロシア、インドについては第3章で、第4章ドバイ、アブダビ、UAE、それから第5章でサウジアラビア、カタール、アゼルバイジャン、第6章でアフリカ、第7章で南米について語っている。第8章では東南アジアと、そして最後に日本外交が進むべき道について、北方領土について過去にどのような失敗があり、今後どのような可能性があるかについて討論している。また、その延長でアイスランドの可能性についても言及している。

最初と最後でおふたりは、日本のメディアがいかに偏っていて、世界の大変動を伝えずに隠していると述べ、世界中の多くのニュースソースから情報を得ることを強調している。Right on!(25年1月)

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